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DD。つんく♂教。

和田さんバースデーイベント(ネタバレあり)

8月1日、和田さんの、ハロープロジェクトでは最後のバースデーイベント。「私とハロープロジェクト」というテーマに沿って、和田さん自身の撮影した映像とライブが組み合わされ、まるで映画を観ているようだった。

昼夜と見たからメモなしでもいけるかと思ったけど大変に不確か。特にスライドの内容が曖昧にしか残っていないのが悔しい。

 

入場すると天井にポストカードのアナザーショットが貼ってある。全部で10種類弱、20枚くらいだったかな。辿っていくと最後に「ありがとう!」と小さな文字で書いてあって、現代美術感があった。ヲタがみんな天井に両手を伸ばし、スマホを掲げて一列に歩いていく様子も含めて。

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司会は上々軍団。緊張している様子の和田さん。啓太曰く、袖でも緊張していたとのこと。

啓太「24歳になった瞬間はなにをしてたの」 

和田「気づいてなかったんですよ!暑かったのでクーラーをつけてて、さむってなったから消そうと思って、消しに行ったら時計が目に入って、すぎてるー!って」

はるなんからはおめでとうのボイスメッセージが届いたそう。

「ひとつ歳を重ねてどう」みたいな物言いをしては和田さんにキレられる啓太。和田「まるで私が年齢が上がるとできないことが増えていくみたいな言い方!

ごろ「そうだそうだ!」

啓太「お前いつからあやちょの腰巾着になったんだよ!」

「24歳の目標は」って聞かれた和田さんが「何歳だからこうしたいっていうのはないです」と言った後、すっと腕を伸ばし正面を指差して「目標は前を向き続けること。年齢関係なく」って答えてたの良かった…。

 

オープニングトークが終わって3人がはけ、暗転するステージ。静寂の中、スクリーンに文字が映し出された。

 

最終審査で泣いてしまった理由、その感情が最近わかった気がする。みんなと違うことへの不安と恐怖。みんなは「手を握って歩きたい」を選んだ。私は選ばなかった。みんなと同じならだいたい大丈夫、でも私は違うものを選んでしまった。どうしよう。当時の気持ちを思い出すと口の中が苦くなる。みんなと違って不安だなんて、いまさらそんなことがあってたまるものか。あのときの自分に、大丈夫だと言ってあげたい。

 

ここで和田さんが登場し、「手を握って歩きたい」のイントロがかかる。なんという演出…。「ありがとう 素敵な思い出 出会ったみんな ありがとう」に涙腺が緩む。

続いて「17の夏」。エッグ時代の、フレッシュさで押し切るパフォーマンスとは別人のような、声に表情のあるコケティッシュな歌唱。焦らすような「こっちへおいでと あなたが言うから」の蠱惑的なことと言ったら。

ここでまたスクリーンに文字が映し出される。

 

アイドルになりたいでもなく、ただ楽しんでいた私が、「17の夏」で初めて先生に褒められた。それからすぐ新グループ結成を告げられた。

 

そして「夢見る15歳」。24歳の和田さんの声はあの頃の4人を合わせたよりも力強いのに、それが逆に切なくて、夏の夜の寂しさが漂うこの曲によく合っていた。イントロの、両手を前に出して場所移動する動きが、1人だとゆらゆらと金魚のようで儚い。少数ではあるけれど「イヤホンで」とコールを入れたファンがいて、和田さんが客席を一瞥してにやりとしたとき、それはもう過ぎた出来事に対する表情に見えてまた寂しくなった。

さらに「しょうがない夢追い人」。歌もダンスも完成度が高い。和田さんの、神が造りし肩と二の腕の美しさが存分に活かされていて、動くギリシャ彫刻のようだった。

 

ここで和田さんは一旦はけて、今度は文字ではなく、動画が始まる。室内での和田さんの自撮り。

「今日は7/16です、岐阜での個別握手会でした。BDイベント何するのって沢山聞かれて、まだ考えてない〜とか言ってたんですけど、そろそろ考えなきゃなって。それで帰りの新幹線の中で考えました。今これを見ている方はもう、イベントの企画書のようなブログを読んだ後だと思うんですけど、そのブログの内容とか、セトリとかを名古屋から東京までの新幹線の中で考えました。この企画は、今まであまり見せて来なかった、普段の姿みたいなものをお見せしようかと。今も自分の部屋で撮ってるんですよ、壁にアルチンボルドのポストカードとか貼ってあって。朝起きてから寝るまで全てを記録していったらどうなるかっていう単純な疑問です。真のリアルですよ。あっこれを撮るのでピンクのリップを塗りました」

このあと一瞬だけ外の映像を挟んでまた部屋に戻り、「なにも撮らずに2日が過ぎました」「昨日は上野公園に行ったのでちょっとだけ撮ったんですけど外で喋るのが恥ずかしくて…」「また自分の部屋です」

続いて、恐らく布団の中での自撮り。「6時に起きて…色んな夢を見たんですけど…」とかむにゃむにゃ言う。幼い。

そこから起きて着替え、髪を耳にかけて、カメラに向かって「今7時半です。これから朝ご飯を食べます。今日の予定はまず仕事のことをして、いつもの勉強をして、それからお仕事に行きます。急いで朝ご飯食べます」みたいなことをハキハキ喋り、でも声は寝起きのかすれ声。朝ご飯を食べに室外へ去る。

次は丸メガネをかけ、高速タイピングをする姿を正面から撮った映像。かなり長い時間だったのか、途中で早送りに。

メガネを外し、カメラに近づく。化粧っ気もなく、キャンベルのTシャツで、カメラを見たり目線を外したり、自然な雰囲気で語りかけてくる。「なんか私って大真面目だなって思ったんですよ。セットリストの順番に曲を並べて聴いてみたんです、YouTubeで。それで昔の動画とかも見ちゃって10時半になっちゃいました。朝の10時半。…なんか、エイティーンエモーションって本当にいい曲だなって。内容もその年齢に合ってて。若いからこその、なんにも考えなくていい感じが…可愛かった。6人で歌ってて。だからみなさんもそういうところに元気をもらってたのかな…もし元気を与えられてたとしたなら、そうだったのかな。今の私はもうそうじゃないから。大真面目で、だから恥ずかしいんですよ、これを見せるのは。でも見せたいって思うのが私だから。…それで今は日焼け対策について調べてました!お母さんにすごい焼けたねって言われたんですよ」最後は画面は暗転して音声のみだった。

 

和田さん再登場、エイティーンエモーションを歌う。溌剌として大変に可愛い。あの頃の無邪気さが今はないとしても、私はむしろ今の和田さんの可愛さ、思慮深さにこそ元気をもらっているのに、と思ったけど、そういうことでもないのだろうな。

それから「わたし」。イントロにどよめく会場。歌詞の文字数が多すぎて歌いづらそう。少し飛ばす場面も。間奏でキラキラした音楽に合わせてくるくると回る姿が眩しい。

ラストは「雨の降らない星では愛せないだろう」。難しい曲だけれど綺麗に歌われていた。

 

上々軍団が登場し、エンディングトークが始まってハッとした、もう終わりか…!あっという間だった。

和田さんは、文字が後ろの席からも読めたかとフォントサイズを気にしていた。イベント中に上映された映像はDVDには入らないようなことを言っていたけど、それは困る。

「わたし」は歌詞の文字数が多くて息継ぎが大変だった、まろが卒コンで歌うとき、リハで大変大変言ってるのをそばで見ていて、そんなに大変?と思っていたけど本当に大変だったとのこと。昨日は0時過ぎまでまろとメッセージのやり取りをしていたけど、「わたし」を歌うことについては恥ずかしいから伝えていないそう。「曲がかかったときに皆さんがおーって喜んでくれたので嬉しかったです」

ロビー天井のオフショット、あまりに誰も気づいてくれないので、ロビーで手売り中の上々軍団に触れてくれるよう頼んだらしい。「取ったらダメですけど、偶然落ちてきちゃったら持ち帰るのはOKです」といたずらっぽくニコニコする和田さん。

 

二部のオープニングトークでは、自己紹介をと言われて「和田彩花です!好きな食べ物は、ナスです」と研修生風に。一部について「なんであんな失敗しちゃったんだろう、だから私はダメなんだってマネージャーさんに言うぐらい落ち込んでたんですけど、さっきグッズ売り場のお手伝いをさせてもらって、皆さんの顔を見たら吹っ飛んじゃいました!だから元気です」と。

ごろ「さっきお弁当を食べたんだけど、あやちょはお衣装のままだったから、汚さないようにって仲間Tシャツを膝に引いてたんですよ!ハラハラしましたよ!」

 

2階席にはりかこかみこかっさーかわむー。嬉しいでしょと振られ、「恥ずかしいです!いつも一緒にやってるから、見られる側になるとすごく恥ずかしい。そっちの方見ないようにやります。」

「さっきも楽屋ですごい騒がしかったんですよ、かみことかっさーはプレゼントですー!開けてください!って来て。ももなのお母さんと妹からも手紙をもらいました。ももなの妹とはいつもアンジュルムのメンバーで電話してるんです。りかこなんて荷物をドーンって落として、和田さんにあげるものは入ってないんで大丈夫です、なんて」とにこにこ語る和田さん。「かわむーはそのTシャツを…とか言って、Tシャツを買ってくれたんですよ!しかもすごくファッション的にも良い感じに着てくれてて、お手本みたいに」…イベント会場についたらまずTシャツを買う川村文乃さんよ…。
ペンライトを振りまくるメンバーに対して和田さんが「落とさないでよ!?下の方、落ちて来ないか気をつけてくださいね。落ちないようにストラップがついてるからちゃんとそれを手首につけて」とか注意し始めたら、メンバーがストラップに通した手首を和田さんに見せつけたの、お母さんと悪ガキだった…
メンバーが観ている席の真下だったので、場面場面で「かわいい…」「かわいい!」「かわいい〜」という声や可愛い笑い声が聴こえてきてほのぼのとした。

 

Tシャツの写真はシャッタースピードを遅くして撮ったから、「動いちゃいけなくて大変だった」「私は動いて撮りたかったのに…」とのこと。外国っぽい、ニューヨークみたいなイメージとさわごろに言われて明らかに不満顔だった。「外国っぽい」イコール褒め言葉みたいなのは和田さんには通用しなかろう…

ごろ「Tシャツかっこいいよね」

和田「どうかっこいいと思ったんですか」

ごろ「外国っぽいよね」

和田「日本で撮りましたけど。港区で撮りました」

ごろ「いやなんかニューヨークみたいなイメージ…」

和田「そんなイメージじゃないです」

ゼミ…?

 

お祝いのVTRが来ています、と告げられて驚く和田さん。「だってだって高橋さんからは去年もらったから違うでしょ、くどぅーも違うし、あと」とそれっぽい人の名前を羅列し始め、上々軍団に「それぐらいでやめとこうか!?その中にいたら困るからね!?」と止められていた。VTRはガキさんから。「あのDAWAがこんなに綺麗になっちゃってー!」みたいな感じ。ガキさんの仕切りで客席みんなでハッピーバースデーを歌う。VTRを見終わった和田さん、「びっくりしました!新垣さんはえりぽんのだと思っていたので」「新垣さんにはとってもお世話になったんです。いつも、元気?楽しんでる?って聞いてくださったりとか。ハロプロでグループに分かれて全国をまわるみたいなときに一緒で、すごくスマイレージは面倒を見ていただいて。挨拶の仕方とか、私じゃないですけどメンバーが薬の飲み方まで教わったりして」

 

「わたし」を歌うことについて、「本人には言ってないです、恥ずかしくて。でもまろはツイッターとかやってるからそれで知るんじゃないかな。イベントが終わったら連絡しようかと思います」

 

二部終わり、なかなか締めくくらない和田さん。「私ももっと歌ってもいいんですけど…」と呟いて、歓声に慌てて「いやいや歌いませんよ!?」と。名残惜しかったりしたのかな…。「来年のことはわからないんですけど、また皆さんと会えるように頑張るので、皆さんも頑張ってください」

 

終演後にはスクリーンに、スマホで撮影されたと思しき映像。頭にねこじゃらしをつけて、ラフなワンピース姿で川に入る和田さんの姿。前日のブログで書いていた猫探しのときの様子なんだろうけれど、こういう演出が本当にファンの喜ばせ方を心得ているなと思う。

 

"今日は妹と猫を探しに近所を歩いてました。
猫がいたときのために、
ねこじゃらし三本を持っていました!
そして、途中、川に入りました^ ^
すごく冷たくて涼しかったですよー"

「BDグッズ」

https://ameblo.jp/angerme-ayakawada/entry-12394699253.html 

 

遊びを排しかっちりと作り込んだイベントで、和田さんという人を強く感じることができた。自分で構成を考えたとのことだったけれど、クオリティも十二分で、もし卒業後のソロ活動がこの延長線上にあるのなら非常に楽しみ。ただ、想像以上に高い人心掌握力を見せつけられて、好きだという気持ちと同時に畏れも生まれた。底知れぬ魅力。

 

とにかく自撮り映像はとんでもなかった。料理だとか「おかえり」だとか、露出度の高い服装や可愛い部屋着よりも、ラフな格好で、目を合わせるでも合わせないでもなく、淡々と内面の話をすることこそが一番、親密な関係を想起させるってことをわかっているのかいないのか。作業が一段落してふっと目線を上げカメラを見る瞬間、特に表情を作らないことでこちらの心をより深く突き刺すことができると知っているのはどうして。喋り続けるその合間に、ふっと一瞬流し目のような目をして、見えるか見えないかぐらいチラッと舌を出したのも、無意識なのか。無造作に撮られたような映像に見えるけれどあまりにも魅力に溢れすぎていたので、すべては綿密な計算の元に無造作風に作り込まれたものなのかもしれないと思ったり、とにかく混乱した。女優には興味ないのかな…やってほしいな…

 

セットリストは、2002年のキッズオーディションから、2015年福田さん卒業あたりまでの和田さんの軌跡をなぞったものだったと思う。各曲がどの節目を象徴するものなのか、選曲意図について現時点で一度推察しておきたい。

1. 手を握って歩きたい

2002年、キッズオーディション。他の受験者がこの曲を選ぶ中で、違う曲を選んでしまって不安だった過去の自分を慰めるように歌われた1曲目。和田さんがキッズオーディションの最終審査で泣き出してしまい、合格のはずが見送りとなっていたことは、1年ぐらい前に矢島さんとの対談の中で明らかになった。ここで合格していればベリキューになっていたはず。

2. 十七の夏

2008年、新人公演9月〜芝公園STEP!〜。このソロ曲で初めて先生に褒められたとのこと。エッグの公演でソロ曲が歌える人数は多くなく、選ばれた時点で相当な評価をされているということなんだけれど、和田さん本人は無自覚だったのかもしれない。エッグ加入当初はダーワーというニックネームが似合うほどノーマークだったのが、突然めきめきと可愛くなり、歌もダンスもまだまだ拙いながらも人気が急上昇した頃。

3. 夢見る15歳

2010年、メジャーデビュー。ここが大きな節目なのは疑う余地なし。

4. しょうがない夢追い人

2011年は相次ぐメンバーの脱退や追加で、第1期スマイレージが終わった年とも言える。「しょうがない夢追い人」なのは、辞めていったメンバーたちなのか、アイドルを続ける自分なのか、それともスマイレージというグループなのか。

5. エイティーンエモーション

2014年、スマイレージとしてのラストシングル。6人のスマイレージは立ち上がりこそぎくしゃくして低迷感もあったものの、この頃には逆境を乗り越えてきた自信のようなものも見えたし、日々の活動に手応えがあった時期なのでは。アンジュルムになってからは後輩の育成など、グループ全体のことを考える時間が増えた和田さんにとって、無邪気にプレーヤーたり得た最後の季節なのかもしれない。

6. わたし

2015年に福田さんが卒業。一緒にスマイレージを守っていこうね、と約束していたもの福田さんは、3期増員・改名が決まったタイミングで卒業を切り出し、オリジナルメンバーは1人になった。

7. 雨の降らない星では愛せないだろう?

2015年、福田さんが卒業することで、グループで1人だけキャリアが突出した状態になることから、先生に「ライバルはプラチナ期と思ってやりなさい」と言われたという話があった。この曲はスマイレージモーニング娘。オープニングアクトを務めていた頃にモーニング娘。が歌っていた曲なので、プラチナ期を目指し始めた、ひとつ上を見始めた時期の象徴として選ばれたのかもと思う。ただ単に好きな曲なのになかなか歌う機会がないから、この場で歌うことにしただけかもしれないけど。

 

この続きがあるとすればどんなセットリストになるのだろう。アンジュルムの始動「大器晩成」、田村さんの卒業「恋ならとっくに始まってる」、葛藤の日々は「良い奴」や「君だけじゃないさ…friends.」あたりだろうか。「Song for the DATE」も入るのかもしれない。