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アンジュルム2018春ライブハウスツアー「十人十色」感想(ネタバレあり)

アンジュルム2018春ライブハウスツアー「十人十色」3/3昼、横浜ベイホール。各人のソロ部分の感想を。

 

和田さんは真野ちゃんの「Song for the DATE」。あまりに歌詞が和田さんとシンクロするので動揺してしまった。「ふいに君があの歌口ずさんで 誰かの声が重なって 同じメロディ 心繋いだ」「いつか終わりを告げるこのときを僕らはきっと忘れない」のあたりが、和田さんがアンジュルムのメンバーを見る視線を彷彿とさせる。

「一日中、楽屋で歌声が響いてます。
同じ歌を永遠と繰り返してます。
わたしは若干置いてけぼりですが、
置いてけぼりが心地よかったりします。
そんな距離感でこの騒がしさと歌声の愛おしさを1人で満喫するのです。」(2/17のブログ)

原曲を何度も聴いたことがあるはずなのに、‪知らない曲のように感じるぐらい、和田さん自身の存在が鮮やかだった。真野ちゃんが歌うこの曲はどこかクールだったけれど、和田さんの色付けはエモーショナル。Heatherのときみたいに少し華やかなメイクにラフなポニーテール、フューシャピンクと紫を合わせたビビッドな衣装で、色とりどりの照明を浴びてひとりくるくると踊る姿はまるで魔法のようだった。性別も年齢も消えた、ニュートラルな美しい何か。魂そのもののような。

「共に刻んだ日付は一歩一歩踏みしめる助走 君と一緒に走れてよかった もっと高く もっと遠くへ行こう」ここはぐっと来た…

 

勝田さんはあややの「オシャレ!」。歌詞も似合っているし柔らかい声もぴったりで、まさにアイドルだった。めちゃくちゃ可愛かった。でもバースデーイベントで歌ったやつでは!?

 

ふなちゃんはイジ抱き。イントロ部分のダンスがちょこまかしていて完全にハム太郎!!可愛い!!からの、大人っぽくセクシーな歌唱のギャップがすごい。セクシー担当はネタじゃないと証明するようなパフォーマンス。

 

むろはあっぱれ回転寿司。あっぱれ回転寿司!!!最高だった。この歌をこの完成度でやれる子はそういないはず。こういうコミックソングは少しでもだれるとただの出オチになってしまうから集中力が必要だし、そもそもあの曲は複数人で歌うものだから、最後まで失速せずに歌い切るにはかなりの持久力が必要だろう。更に、コミカルに振り切りながらも時にかっこよく、ラストは一転して少年のあどけなさとその父親の包容力まで感じさせるための表現力に、歌唱力は言わずもがなと、多岐にわたるスキルが問われる歌だと思う。ふざけているようだけど、コミカルこそ、確かな実力の上にしか成り立たないので。彼女のマルチに高い能力あってこその完成度だった。

むろのこれほどのポテンシャルが、現在のアンジュルムの曲で十分に活かされているかというとそうではないように思える。私もこのライブを見るまでは気づいていなかった、というか忘れていた。エース候補としてもっと前に出していってほしいし、本人も「引き立て役」を自称したり、コミカル担当だからと一歩引かずに、真ん中を目指してほしいと思ってしまった。

 

かななんはなっちの「息を重ねましょう」。これは選曲が偉い、自分の嫁としての需要を理解している。「男の人って辛いことも多いのでしょ」はずるい。声質にも合っていた。

 

川村さんもなっちで、「恋の花」。これも選曲が偉い。盛り上がる曲として認知度が高いのでイントロから歓声が上がっていたし、甘いメロディが彼女の特徴である可愛らしい声にぴったり、健気な歌詞も本人のキャラクターにぴったり、ゆっくりした振り付けも長い手指と優美な動きを際立たせて、セルフプロデュースとして120点だった。加入して間もない彼女にとっては自分をプレゼンする場であるべきだと思うので、いや本当に川村有能文乃さん…

 

かみこはBuono!の「MY BOY」。彼女にとって、音程の安定感と高音のクリアさを武器にバラードで観客を引き込むことは簡単だったろうに、敢えて高速なロックという難易度の高い曲を持ってきたのにグッときてしまった。なんて成長に貪欲なんだ。そりゃ伸びるよ。加入時にはウィークポイントだった声量とリズム感が、2年ちょっとであれほどまでに成長しているの、すごい事だと思う。

 

タケちゃんはあややの「想いあふれて」。うまくて当然という空気の中で、更にその上を出してきたのでさすがだった。うまいだけじゃなくてちゃんと切なかった、歌の世界に引き込まれて、フルで聴かせろって思った。「ソロは苦手だからいままで歌ったことあるやつでいいかって思ったけど、挑戦してくださいって言われたから…」なんて言っていたけど、なんだかんだ言って真面目な人だ…

 

りかこは「しょうがない 夢追い人」。強めの曲調でダンスメインでやれば絶対かっこよさで圧倒できるところを、かっこいいだけじゃない、大人の女の弱さみたいな部分を表現しようとしていて、いつもとは違った表情が見られて新鮮だった。この曲も複数人前提なので、全部ひとりで歌ってダンスもして、というのはかなり大変そうだった。これはまだまだ伸びしろがありそう、仙台では全然違う印象になってそう。

この、今回は得意分野で勝負するよりも苦手なものに打ち勝っていこうっていうスタンスが、りかことかみこで一致しているの、絶対相談しただろうって感じで、もう、、

 

かっさーはベリの「VERY BEAUTY」。折に触れて好きと話しているし、バースデーイベントでも歌ったしで、かっさーのテーマソング的なイメージ。難しい曲だけど普通にうまい。今かっさーがかなり痩せて、モードな前髪にシュッとしたメイクで数ヶ月前とは別人のように大人っぽくなっているのだけど、曲中で見せる笑顔はあどけなくて、そのギャップも曲によく合っていた。