誰でも大好き

DD。つんく♂教。

十人十色セットリストについて(ネタバレあり)

アンジュルム2018春ライブハウスツアー「十人十色」のセットリストは、半分以上ソロ、しかも他グループのカバーだった。個人的には終始楽しくて大興奮だったのだけれど、落ち着いてみるとやや疑問もある。

ハロプロの他アーティストの10年以上前の曲がわかり、かつアンジュルムの単独ライブも何度か行っているようなヲタにとっては十二分に楽しめる構成なんだけど、今回初めてアンジュルムのライブに来た人とかには少し寂しかったかも…とは思う。「アンジュルム」としての曲は全体の半分以下だったので。一般発売するライブというよりFCイベっぽかった。バースデーイベントのダイジェストのような。一般発売しないほうがいいとは言わないけれど、こういう内容であることは事前に告知があっても良かったのでは。または、せめてカバーする曲をスマアンジュにするとか。
全体曲はハロコンでやったものも多かったし、全員で合わせる時間があまり必要ない構成だったとも言えて、3箇所6公演しかやらないこと、開催地が千葉、横浜、仙台と、明らかに意味がありながらもその意味に触れないことも合わせて、このライブハウスツアーは予定外だったのかなと思わざるを得ない。

和田さんが横浜昼の締めで、「アンジュルムは個性が強いと言っても、1人1人のその個性がステージで出せているとは言えない。アンジュルムという集合体での強さはあるけど」みたいな話をしていたのも、ツアーの1週間前にブログで「1人づつのキャラがはっきりしている部分はアンジュの強みであり、前々からよく言われてきたことです。ですが、この春ツアーでは、その個性を強調したところでは成り立たないと思ってます。個人的に。アンジュルムというグループである時点で1つの集団です。集団で魅せるパフォーマンスとなればもちろんそこには一様なまとまりも必要です。」と書いていたのと反対の話に感じられて、ちょっと引っかかった。

 

確かにソロは各メンバーの魅力を十二分に引き出してくれたけれど、本当はそれをグループとして見たい。ソロが個性的なのは当たり前で、アンジュルムでのパフォーマンスの中で個々がそれぞれの「アンジュルムらしさ」を表現していくことが「個性」なんじゃないかと思うし、それが現状できていないのであれば、楽曲や歌割り等プロデュースの問題なのでは。

シングル曲では拾いきれない個々の魅力を、なんらかの形で見せていくのは良いことだと思う。ただその手段がカバーという状況は肯定しきれないので、アルバムを……アルバムを出してください……

 

 

アンジュルム2018春ライブハウスツアー「十人十色」感想(ネタバレあり)

アンジュルム2018春ライブハウスツアー「十人十色」3/3昼、横浜ベイホール。各人のソロ部分の感想を。

 

和田さんは真野ちゃんの「Song for the DATE」。あまりに歌詞が和田さんとシンクロするので動揺してしまった。「ふいに君があの歌口ずさんで 誰かの声が重なって 同じメロディ 心繋いだ」「いつか終わりを告げるこのときを僕らはきっと忘れない」のあたりが、和田さんがアンジュルムのメンバーを見る視線を彷彿とさせる。

「一日中、楽屋で歌声が響いてます。
同じ歌を永遠と繰り返してます。
わたしは若干置いてけぼりですが、
置いてけぼりが心地よかったりします。
そんな距離感でこの騒がしさと歌声の愛おしさを1人で満喫するのです。」(2/17のブログ)

原曲を何度も聴いたことがあるはずなのに、‪知らない曲のように感じるぐらい、和田さん自身の存在が鮮やかだった。真野ちゃんが歌うこの曲はどこかクールだったけれど、和田さんの色付けはエモーショナル。Heatherのときみたいに少し華やかなメイクにラフなポニーテール、フューシャピンクと紫を合わせたビビッドな衣装で、色とりどりの照明を浴びてひとりくるくると踊る姿はまるで魔法のようだった。性別も年齢も消えた、ニュートラルな美しい何か。魂そのもののような。

「共に刻んだ日付は一歩一歩踏みしめる助走 君と一緒に走れてよかった もっと高く もっと遠くへ行こう」ここはぐっと来た…

 

勝田さんはあややの「オシャレ!」。歌詞も似合っているし柔らかい声もぴったりで、まさにアイドルだった。めちゃくちゃ可愛かった。でもバースデーイベントで歌ったやつでは!?

 

ふなちゃんはイジ抱き。イントロ部分のダンスがちょこまかしていて完全にハム太郎!!可愛い!!からの、大人っぽくセクシーな歌唱のギャップがすごい。セクシー担当はネタじゃないと証明するようなパフォーマンス。

 

むろはあっぱれ回転寿司。あっぱれ回転寿司!!!最高だった。この歌をこの完成度でやれる子はそういないはず。こういうコミックソングは少しでもだれるとただの出オチになってしまうから集中力が必要だし、そもそもあの曲は複数人で歌うものだから、最後まで失速せずに歌い切るにはかなりの持久力が必要だろう。更に、コミカルに振り切りながらも時にかっこよく、ラストは一転して少年のあどけなさとその父親の包容力まで感じさせるための表現力に、歌唱力は言わずもがなと、多岐にわたるスキルが問われる歌だと思う。ふざけているようだけど、コミカルこそ、確かな実力の上にしか成り立たないので。彼女のマルチに高い能力あってこその完成度だった。

むろのこれほどのポテンシャルが、現在のアンジュルムの曲で十分に活かされているかというとそうではないように思える。私もこのライブを見るまでは気づいていなかった、というか忘れていた。エース候補としてもっと前に出していってほしいし、本人も「引き立て役」を自称したり、コミカル担当だからと一歩引かずに、真ん中を目指してほしいと思ってしまった。

 

かななんはなっちの「息を重ねましょう」。これは選曲が偉い、自分の嫁としての需要を理解している。「男の人って辛いことも多いのでしょ」はずるい。声質にも合っていた。

 

川村さんもなっちで、「恋の花」。これも選曲が偉い。盛り上がる曲として認知度が高いのでイントロから歓声が上がっていたし、甘いメロディが彼女の特徴である可愛らしい声にぴったり、健気な歌詞も本人のキャラクターにぴったり、ゆっくりした振り付けも長い手指と優美な動きを際立たせて、セルフプロデュースとして120点だった。加入して間もない彼女にとっては自分をプレゼンする場であるべきだと思うので、いや本当に川村有能文乃さん…

 

かみこはBuono!の「MY BOY」。彼女にとって、音程の安定感と高音のクリアさを武器にバラードで観客を引き込むことは簡単だったろうに、敢えて高速なロックという難易度の高い曲を持ってきたのにグッときてしまった。なんて成長に貪欲なんだ。そりゃ伸びるよ。加入時にはウィークポイントだった声量とリズム感が、2年ちょっとであれほどまでに成長しているの、すごい事だと思う。

 

タケちゃんはあややの「想いあふれて」。うまくて当然という空気の中で、更にその上を出してきたのでさすがだった。うまいだけじゃなくてちゃんと切なかった、歌の世界に引き込まれて、フルで聴かせろって思った。「ソロは苦手だからいままで歌ったことあるやつでいいかって思ったけど、挑戦してくださいって言われたから…」なんて言っていたけど、なんだかんだ言って真面目な人だ…

 

りかこは「しょうがない 夢追い人」。強めの曲調でダンスメインでやれば絶対かっこよさで圧倒できるところを、かっこいいだけじゃない、大人の女の弱さみたいな部分を表現しようとしていて、いつもとは違った表情が見られて新鮮だった。この曲も複数人前提なので、全部ひとりで歌ってダンスもして、というのはかなり大変そうだった。これはまだまだ伸びしろがありそう、仙台では全然違う印象になってそう。

この、今回は得意分野で勝負するよりも苦手なものに打ち勝っていこうっていうスタンスが、りかことかみこで一致しているの、絶対相談しただろうって感じで、もう、、

 

かっさーはベリの「VERY BEAUTY」。折に触れて好きと話しているし、バースデーイベントでも歌ったしで、かっさーのテーマソング的なイメージ。難しい曲だけど普通にうまい。今かっさーがかなり痩せて、モードな前髪にシュッとしたメイクで数ヶ月前とは別人のように大人っぽくなっているのだけど、曲中で見せる笑顔はあどけなくて、そのギャップも曲によく合っていた。

 

 

モード感想(ネタバレあり)

アンジュルム×フェミニズムなんてこれは見逃すわけにはいかないと、無理を押して行ってきた。

f:id:ayayahp:20161018180937j:image

内容は想像以上に攻めていて驚いた。女の子に白いワンピースを着せたがる男性を批判的に描くなんてことが、アイドル主演の舞台で許されるとは…!いつも着せられてるじゃん!?男性ファンがどういう気持ちで見るのか、それ以上に本人たちがどういう気持ちで演じているのかも気になる。

 

話の筋としてはシンプルすぎるし、粗が目立つと言えばそうなんだけれど、ストーリーを通して明確なメッセージを伝えるというよりも、場面場面にフックを仕掛け、演者と役とのシンクロ又はギャップを利用しつつ観客の心に印象を残していくという手法なのかなと思って見ていた。全員に見せ場を作らねばならなかったにしては、大きな破綻なくまとまっていたと思う。考えさせられるシーンはいくつもあったし。

 

ラスト近く、副編集長が撮影を冷やかしに来るシーン。「私がスタイリングしました」と得意げな華子に、「モデルが余計なことするな」「白いワンピースとか水着とか、着物のはだけたやつとか着て」「女は黙ってニコニコしてればいい」。副編集長は嫌な奴のように描かれていたけど、あんな風にセクハラされたり、女だからってバカにされることは、現代でも、普通の会社員でもいくらでもある。怯えて抱き合う愛子たちの姿に泣いた。よくあることだからって、全然平気なんかじゃない。嫌なことなんだよ。すごく。

このシーンでのあやちょの横顔の演技は素晴らしかった。脚本的には弥生の人間性はそう書き込まれているわけではないのに、横顔だけでその強さも弱さも全て語ってしまう、あやちょの説得力。

かっさーが加入した時、セクシー担当みたいな扱いで、ハロプロメンバーもおしりがどうこうみたいなコメントを出してる中、「中学生なんだからそういうのやめてください」と怒ったあやちょが、このシーンでの弥生に重なった。消費されることに慣れない強さ。

 

りかこかっこよかった!大きな動きの多い役なので、りかこの美しい肉体が躍動する様を堪能できた。劇中歌も最高。りかこに「私には誰より素質がある!」って歌わせてくれた方にお歳暮を贈りたい。歌声がとても良くなっている。自分の声質にあった歌い方を見つけた印象。

演技はもっと荒削りな感じかと思っていたけど、場面が進むにつれ、感情の移り変わりに合わせて目の表情が変わっていって、こんな繊細な表現もできるのかと驚いた。スポットライトも当たっていない舞台の奥からでも、華子はいつも美智子を見ていた。その目が、最初は目下の人間を見るような余裕に満ちていたのに、だんだんと憔悴が滲み始め、憎しみに燃えるようになる。そこから一転して、美智子を認めた場面では晴れ晴れとして曇りのない、それでいて力強い眼差しに変化する。台詞以上に雄弁なその表情から目が離せなかった。最後に「みちこ”さん”!」って体育会系の素を出すところが可愛くて和んだ。

 

かななんには驚いた。演技がうまい…!立ち姿が美しいというのもあるけど、普通に外部でも舞台女優としてやっていけるのでは。

りなぷーかわいい。かわいい役なのでかわいいのは当たり前なんだけど、かわいいだけじゃない。黙って後ろから他の人を見ている時の、頬杖をついた表情の雄弁なこと…あのシーンの写真欲しい…

かみこは達者だね…演技も歌もクセがまったくなくて、素直にきれいにこなしていた。初のつんく♂ノータッチの歌姫になるんじゃないだろうか。

あいあいは飛び道具的な役どころだったので評価が難しいけれど、とにかくスタイルが抜群。女中なのにどのモデルより脚が長い。

タケの演技がよかった。タケじゃないのに自然だった。 

むろは普段のキャラと一番遠かったのでは?途中で意識の変革もあり難しい役どころだったと思う。美智子に合わせる柔軟性もありつつ、軽率に見せてはいけない。むろの長所である女の子らしさは消しつつ、人の善さは活かしていてうまかった。

かっさーはポージング?がうまかった。腰の切り返しに身体能力の高さを感じる…!演技も歌も新人とは思えない安定感。彼女も半年後には主演できる器だと思う。

 

残念だったのは衣装面。せっかく衣装がかわいいのに、女性陣がいつもぺたんこ靴なのもったいなかった。どうせむろやタケとの身長差は逆転しないんだから、割り切ってヒール履いちゃってもそんなにおかしくなかったと思うけどな。華子や弥生のキャラでハイヒールじゃないってことはなかろう…。あと着物がカジュアルすぎる、結納であんなの着るわけない。

 

ゼロホールは大変狭くて、かななんが真後ろで踊った時にはいい匂いがしたし、りかこのまつげの一本一本まで見えたし、なによりりなぷーのBCG!!!!

 

アンジュルム秋ツアー

アンジュルム秋ツアー@京都FANJ、昼公演。

全編アンジュルム曲ということで大変テンションが上がる。スマ曲は大好きなんだけれど、今のアンジュルムの魅力を最大に引き出せるのはアンジュルム曲だと思うし、あまりに世界観が違いすぎて、セットリストにつながりが出なくなるように思う。

 

カバー曲は邪魔になるんじゃないかと思ってたけど、りかことかっさーの組み合わせに今日一番テンション上がった。この2人のサイズ感ちょっと最高じゃない?戦う肉体って感じで大変良い…正拳突き素晴らしかった…このまま2人ともすくすく育って、強く美しいシンメになってほしい。

 

りかこ本当にかわいくてかっこいい。どこが好きって生命力みなぎる体幹が好きなんだけど、腕や脚もエネルギーに満ちていて素晴らしい。命の美しさを感じる。

かっさーとんでもなかった。殺し屋の目からふっと微笑んで少女に戻り、次の瞬間には妖艶にと、表情の魅せ方が何パターンもあるだけでなく、ちゃんと曲に合わせて使い分けていた。ダンスも歌も十分に即戦力。最近の研修生はすごいんですね…

かみこは完全に新人の域を脱していて恐ろしい。猫背も治りつつあるし、歌も音程はもともと安定していたところへリズム感もよくなっている。表情がすごい。覇王!

あやちょは本当にとにかく美しい、特に腕と首のつき方が美しい。人間離れしている。仏像とかに近い。

 

途中で倒れてしまったお客さんがいたんだけど、パフォーマンスはそのまま乱さずやりきって、曲が終わったら「皆さん体調には気をつけてくださいね、辛かったらゆっくりしていいですからね」と客席に声をかけるあやちょの頼もしさ。エキセントリックなように見えてむしろすごくまともな人だと思う。

 

トークは半年前に比べて格段に安定感が出ていた。かみこという常識人の加入が大きいのか…?

ラストの挨拶でかみこが「私はこの会場は初めてだったんですけど、見にくい方も多かったんじゃないでしょうか。端の方とかも…」と気にかけていたのが印象的だった。活動始めて1年やそこらでそういう視点があるというのはすごい。

かっさーが冒頭では「京都でライブするのは初めてなので、私がどういう風にパフォーマンスするのか皆さんに知ってもらいたいです」と言い、締めでは「(ユニット曲が)思っていたよりうまくできたので、この調子でモチベーションあげていきたいです!」と言い、大変良かった。ちゃんと自分を正当に評価できるクレバーさと健やかさがある。

「今日は朝、出かける前にお母さんとケンカしたんですけど、ライブがすごく楽しくていま気分がいいので、謝ろうと思います!佐々木莉佳子でした!」中学生かわいいかわいい